【MBA授業まとめ⑯】Perspectives on Business ethics

ビジネスのおける「倫理」にまつわる様々な論点を提示し、考える機会を提供する授業。

 

下記の項目でまとめています。あくまで自分の脳内目次用なので、書き方は雑です。

  • 授業概要
  • 学び(ランダム)
  • 感想・思い出

 

授業概要:

  1. ビジネスにおける倫理感の重要性の高まり、主要論点について考える機会の提供
  2. 教授は Elias Papaioannou | London Business School Ioannis Ioannou | London Business School Daniel Effron | London Business School Nicos Savva | London Business School

学び(個人的に印象深い学びをランダムに羅列、授業で出てきた順番):

  1. 倫理・価値観は時代・地域によって常に変化するものであり、自分自身が置かれている環境下での倫理・価値観を常に相対化して捉えることが肝要

  2. ビジネス世界における価値観も変遷していく。ここ数十年、世界のビジネスリーダーは多かれ少なかれ狭義のシェアホルダー(=株主)の価値の最大化を志向してきたが、それが広義のシェアホルダー(=社会、コミュニティ、顧客、従業員、etc)へと本質的に変化しつつある

  3. 上記は企業の力の増大が一つの背景にある。世界の国と企業の経済規模を上位から並べるとトップ100のうち約70は企業組織で、上位10社の経済規模は下位180カ国の経済規模の合計を上回っている
  4. この様な状況下で企業組織がESG・SDGの様な思想を組織文化の根幹に組み込むことはnice to haveでは無くmustになってきている
  5. ある米国の研究ではサスティナビリティを標榜する企業の方が、標榜していない企業よりも50%程度高い評価を受けているという研究がある(1992-2010のデータ、因果関係は議論の余地あり)
  6. サスティナビリティへの取り組みと価値創出の因果関係:ファイナンスのおける優位、制約によるイノベーション追求、高い採用力、従業員のロイヤリティの高まり・リテンション、有事の際の相対的なダメージ少、法改正インパクトが相対的に少、高い顧客ロイヤリティ、etc
  7. 倫理を外れた小さな行動の経済コスト:米国では勤務中の私的ネット使用による生産性低下で約9兆円、従業員による不品行(オフィス用品の盗難、経費の私的利用、残業の過剰申告など)で約6兆円の経済損失が発生
  8. 非倫理的な行動に陥るパターン:例え独りよがりであろうと行動を正当化する論理が成立する(自己正当化)、別の非倫理的行動を取っている他者が身近にいる(偽善・転嫁)、間接的に非倫理行動に関わっている(転嫁)...この様な状況が成立すると人は非倫理的な構造を取りがち。自身の置かれている環境・状況を客観的に捉えることが重要
  9. 財務会計における非倫理的行動:地域性が高く、ルールが明確・不明確な領域がスペクトラムで存在。租税回避などは世界の名立たる企業が公然と行っているが、倫理的であるとは言い難い。3・4を考えても、企業への社会・経済的責任を求める圧力は今後強まってくると想定される
  10. アルゴリズムと倫理:アルゴリズムは学習データに依存するため、データのバイアスをそのまま引き継いでしまう点に注意が必要。実際に人種・ジェンダー差別的な判断に陥るアルゴリズムの例も知られている。アルゴリズム活用と合わせて、自分自身が活きる社会の歪み(社会通念)についても客観視することが必要

 

感想・思い出:

入学したての初学期に受けた授業。


MBA的な価値観(&MBA卒業生が経営陣に名を連ねる企業)が常に一定の批判に晒されている中で、MBA側も批判を真摯に受け止め何等かの行動を起こしていかねばならないということで数年前にスタートした必修授業とのこと。

授業を受けたのは2年前だが、この2年間でも確実に企業に求められる社会的責任は増大してきている様に感じる。再度社会復帰し・新しい企業の誕生/成長を支える仕事に就いた今だからこそ、改めてビジネスにおける倫理感の重要性を感じるとともに、自分が独善・諦観に陥っていないかということを常に振り返る姿勢を忘れない様にしていきたい。